創刊50周年「ジャンプ」伝説の元編集長、鳥嶋和彦さんが語る「鳥山明をめぐる社内政治」
2/17(土) 11:30配信 AERA dot.
https://dot.asahi.com/dot/2018021300102.html?page=1
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180213-00000102-sasahi-ent
白泉社代表取締役を務める鳥嶋和彦さん
2018年に創刊50周年を迎え、1月からは記念ドラマ「オー・マイ・ジャンプ!」も放送されるなど話題の「週刊少年ジャンプ」。かつて、国民的漫画「ドラゴンボール」の鳥山明の才能をいち早く見出し、国民的RPG「ドラゴンクエスト」の堀井雄二をライターからゲームの世界に送り出し、漫画界で“伝説”となった編集者がいた。1996年から2001年まで同誌編集長を務め、現在では白泉社代表取締役として活躍する鳥嶋和彦さん(65)だ。80年代から90年代にかけ発行部数が500万部を超え、“黄金期”を過ごした思い出を語った。
【鳥嶋さんが手がけた「ファミコン神拳」】
――ジャンプ編集部に入られるまで、ほとんどマンガを読まれたことがないと伺いました
マンガは小学生の頃に少し読んだことはあります。サンデーやマガジンの存在は知っていたけど、ジャンプは当時まだ存在しなかったですね。活字の本ばかり読んでいました。小学校の頃は哲学書を読んでいたし、中学生の後半からは海外の翻訳小説を読みふけっていました。その後大学を出て、集英社に入って、「週刊少年ジャンプ」編集部に配属されます。でも、本当は「月刊プレイボーイ」の編集がやりたかったんです。
――当時のジャンプ編集部の様子はどんな感じだったのでしょうか
とにかく息苦しかったですね。まるで男子校の雰囲気でした。違うということを許さない。若手に反論させなかったりとか、後輩を無理に飲みに誘ったりとか、体育会系のような上下関係の厳しさがありました。「友情・努力・勝利」というジャンプの三大原則がありますが、これは編集部内の思想統一かと思いましたよ(笑)。「男は~」という考え方は当時から僕は嫌いでした。そういう空気が肌に合いませんでしたね。
――編集者同士の競争も激しそうですね
ジャンプ編集者の第一の仕事は、毎週送られてくる読者アンケートでいかに人気を集めるかです。ここで人気が取れないと、自分が担当しているコーナーや、漫画家の仕事がなくなってしまいます。しかし、これはパイの奪い合いですから、他人は他人、自分は自分というような感じで、編集者同士が普段からギスギスしているようなところがありました。切磋琢磨と言えばそうは言えるでしょうけどね。
――編集者同士の横の繋がりにはどういったものがあったのでしょうか
週刊少年ジャンプでは3,4人の編集者で班に分けて、4週間ぐらいかけて漫画連載以外の誌面を作っていく体制を取っています。この班という結びつきが重く見られていて、班のメンバー同士で毎日一緒にお昼を食べに行ったりとか、お酒を飲みに行ったりする風潮がありました。そこで、別の班の噂話を聞かされたりするのが僕はイヤで仕方がなくてね。同じ編集部内なのに、班を越えて同僚と親しくするだけでも、自分の班のメンバーからは白い目で見られる感じでした。
――組織の縦割りが徹底されているんですね
社内の人間関係が編集部内どころか、班のなかで大部分が完結してしまっているわけです。さらにジャンプ編集部では中途採用はおろか、社内の別の部署からも人が移ってくることがほとんどありません。つまり、新卒で配属されてずっとメンバーが同じというわけです。同じ会社内でも、他の雑誌の編集部がどうなっているのかもよくわからなかった。
――確かにそれは閉鎖的かもしれません
だから、編集部内の人とは努めて交わらないようにしていましたよ(笑)。僕が担当をしていた鳥山明さんの「Dr.スランプ」がヒットし始めた頃、同じ集英社の週刊プレイボーイから僕に「Dr.スランプ」について取材したいという話がありました。この時のライターがさくまあきらさん。後に「桃太郎電鉄」を世に出します。僕はさくまさんと親しくなり、その繋がりからドラクエの堀井雄二さんとも知り合うわけですが、僕はこうした社外のライターを積極的に誌面に起用しました。こうして誕生したのが「ジャンプ放送局」といった読者投稿コーナーや、ゲーム紹介記事「ファミコン神拳」です。当初、社外の人間を使うことに、同僚からものすごく反発されました。「アンケートが外に漏れるからダメだ」って。結局、作業は会議室でやる、編集部内には入れないという条件で企画は通しました。アンケートで高評価をとっていくことで文句を言う人はいなくなりましたが、それでも「漫画だけやっていればいいのに、エネルギーのムダだ。バカなことやってる」という陰口は聞こえてきましたね。
――その後、鳥嶋さんは93年にゲーム雑誌「Vジャンプ」を創刊する形で、一度ジャンプ編集部を離れる形になります
こうした外の人間との付き合いがなかったら、Vジャンプは創刊できなかったでしょうね。でも、創刊編集長でいられたのも3年だけ。部数減のジャンプの立て直しで96年に週刊少年ジャンプの編集長として呼び戻されます。理由は鳥山明さんの「ドラゴンボール」に続く新連載が欲しかったから。当時の経営陣からすれば、鳥山さんの新連載が始まれば、ジャンプの売り上げも回復すると考えていたんでしょうね。でも、それは難しいと僕にはわかっていた。「ドラゴンボール」をあれだけ無理に引っ張らせた時点でもう次は描けない。
――ジャンプ編集長として、まずどんなことに取り組んだのでしょうか
653万部という部数はもう戻らないと思っていました。それはパソコンやスマートフォンのように、一つの画面に漫画、ゲーム、アニメ全てが映る時代がやってくると、Vジャンプをやっていて確信していたからですね。そもそも、部数を増やすことに何の意味があるのか、といううっすらとした疑問も感じていました。部数増による収益だけではなく、単行本の収益、アニメ化されて入る収益の合計で勝負すればいいのではないか。「遊戯王」のヒットとかもあって、こうしたトータルの収益では過去最高になりました。
――ジャンプ編集部内のそれまでの空気をどう変えていきましたか
もちろん、編集部内の雰囲気をもっと自由に変えたい思いがありました。まず、男子校のようだったジャンプのあり方を、農耕民族社会と狩猟民族社会を足して2で割るような感じでオープンな雰囲気にしました。外の人間が自由に出入りできたり、編集部内では後輩を無理に飲みに誘わないといったような形に変えていきました。仕事は仕事、プライベートはプライベートという意識も徹底した。結果、男子校から共学校ぐらいの雰囲気にはなったんじゃないかな。女性の編集者はいなかったけどね(笑)。
――確かに「封神演義」や「テニスの王子様」などのように、90年代後半から女性ファンが付くような作品が目立つようになった印象があります
いわば共学化したことで、ジャンプ全体の作風にも影響が出たかもしれない。「友情・努力・勝利」という伝統は薄まったけれども、一方で「アンケート至上主義」は残した。90年代当時、約3万通のアンケートハガキが毎週送られてきました。早いものでは、火曜日の夕方には300通ぐらい届きます。これは「速報」と言って大変貴重な情報源でした。火曜日の夕方なら、その週の号で進行している原稿にぎりぎり反映させることができます。今ではインターネットが登場し、さらにツイッターなどのSNSで簡単に読者の声を拾えますが、当時からこのようなライブ感を持った誌面作りができていたのはジャンプだけでしょうね。
――つまり、アンケートが黄金期ジャンプを支えた源泉であったと
読者双方向の誌面作り、これがジャンプ創刊以来の一番の強みと言えるでしょう。子どもが参加できる、自分の声を反映させられる唯一の雑誌なのではないでしょうか。その情報もアンケートだけに頼っていたわけではありません。他によく参考にしていたものが、編集部の見学が自由なんですね。修学旅行のコースにもなっているぐらいで、学校の先生に引率されて何十人もの生徒が見学に訪れます。そこで若手スタッフが編集部の中を案内して説明したり、原稿を見せたりするわけですが、そういう時に「最近何が面白い?」とか聞いたり、さらに「グッズがあるけど、好きなもの持っていっていいよ」と言って、その反応を見て参考にしたりもします。
――ファン交流イベント「ジャンプフェスタ」も鳥嶋さんが編集長の時に始まりましたね
「ジャンプフェスタ」は毎年12月の2日間、読者を無料で招待するもので、毎年10万人以上が訪れます。「1年間ありがとう」という感謝の気持ちをファンに伝えることが目的なのですが、これも会場で読者の顔を見て、反応を見る、そしてそれを誌面にフィードバックすることをやっています。イベント自体は現場からの発案で、今や20年近く続いています。これもジャンプに受け継がれる新しい強みと言えますね。
あったなあw
懐かしい
さらっとヒドいこと言ってるよなぁ。
編集にとって漫画家はコマなんだなと実感できる。
小林まことも名編集者に乗せられて身体で壊すほど描いたって言ってたしなぁ。
時代もあったのかな。
無理をさせても構わないっていう。
今は割りと休ませてくれたり作家側に配慮した雰囲気を感じる。
出版社の利益はどれくらいだろう
ビルが建つぐらい
ゲームはかなりプレイしてたみたいだぞ
大人になってマシリトの仕掛けだと知って納得した。
失敗したら漫画家の責任
楽な商売だよな編集って
編集者の手柄だなんて思ってるやつはほぼいないだろう
進撃の巨人みたいに他で箸にも棒にもかからなかった作者を発掘した編集者は内部で褒められるけど
メディア人としては桁違いなのに
いくらでも昔の自慢すればいいよ
集英社のメンバーや秋田書店のカベさんとかキャラでイジられるのはあっても
キバヤシは本物の天才編集だけど
漫画家の才能を使い潰すタイプでもある
その二人はもう原作者として
名前をクレジットされてるわけだし…
問題は売れなくても責任取らないって所だろ
まあジャンプは結果出さなきゃすぐ左遷だから責任取ってるっちゃ取ってるかw
と思ったけど白泉社って集英社から枝分かれした会社なのね。
じゃ、また集英社に戻ってくる可能性もあるわけか。
鳥嶋は集英社では専務まで行ったから集英社内で出世するにはあと社長しかない
最後の最後の出世競争には敗れたということ
もうない
出向でもなく天下りで白泉社に行っただけ
お?そうなんだ。
役員クラスで出向も天下りも無いだろうよ・・・
会社によるけど、いろんな力学で返り咲きはある
マシリトは無理だろうなあ
集英社はジャンプだけじゃないから
3年の期限付き社長だよ
白泉社も一ツ橋グループだから次は集英社か小学館の役員になる
集英社は常務であがっちゃって終わり
これからは関係各社を回るだけ
あだち充と高橋留美子を真っ先に切ると答えてて笑った。
でも少年サンデーって一回そっち路線行って古参切っておっさんサンデーになってたのを対象年齢下げて子供向け路線でやってたけど
その後雷句誠訴訟事件とかあって新人漫画家が来なくなって
ガンガンから引き抜いたけどダメで
また古参呼び戻して古参頼りに逆戻りしてるよな
少年サンデーは一発当てた作家を優遇しすぎだよな
久しぶりに読んだら留美子やうしとらや今日俺の作者にいまだに描かせてたけどあまりにも古臭くてつまらなすぎて笑えたわw
直接触れずともそこは言わなくても分かるじゃんよ
マシリトがDB完結後の鳥山を守ってた事くらいは
「鳥山明に描かせるためにジャンプ編集長として
呼び戻した」って書いてあるだろ
ドラゴンボールの引き伸ばしの酷さも認めてるし
あれだけやらせてもう描けるわけねえだろって
はっきりいってぜんぜんだw
堀井も鳥山も鳥島つながりだろ
そういう意味では漫画史、ゲームの歴史で極めて重要人物じゃないの?
この人。単なる人気漫画家の編集者で出世した人ってだけじゃないよね?
ジャンプ編集局のメンバーは大体成功してるからな
凄いよね
ファミコン初期のゲーム業界の黒幕てあったことは間違いないね。
ドラクエとクロノトリガーは確実に鳥嶋居なかったら誕生してないな
クロノトリガーも鳥島の功績かと
あれは超名作
>>142
その辺はこれに詳しく出てる
伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話
http://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/torishima
面白い
ファミコン神拳の本も最近出たけど、
そのインタビューも面白かった
自分はエンタメの部分で人生そうとうマシリトに恩があると感じた
読み切ったー。すごい密度だった
アニメ化にグッズ化、ゲーム化、実写化、何でもござれや!
引用元:http://hawk.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1518622642/
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